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こんにちは、日朝京都のSAWADAです。
報告が遅くなってしまいましたが、12月12日に行った日本人側で行った自主学習会の報告をさせていただきます。今回のテーマは分断史(分断に至るまでの歴史)で、大沼久雄さんの『朝鮮分断の歴史』を読んで勉強しました。今回は時間がなかったので一部だけ議論した感じです。
☆なぜ分断史をやろうとしたのか?
今年は哨戒艦の沈没事件や延坪島への砲撃事件、朝鮮学校の高校無償化問題など、さまざまな出来事がありましたが、なぜここまで南北関係、日朝関係がこじれているのか、その根源をたどっていくと、「そもそもなぜ朝鮮というもともと一つの国であったものが分断しているのか」という問いに行きついたからです。
メディアが伝えているのは、「今」のことだけであって、そこに至る過程までは報道していないけど、それは事実であっても真実じゃないんじゃないか?もっと歴史を踏まえて「今」を見るべきじゃないのか?
そんな観点から、今回分断史の学習会を企画してみました。
今年は哨戒艦の沈没事件や延坪島への砲撃事件、朝鮮学校の高校無償化問題など、さまざまな出来事がありましたが、なぜここまで南北関係、日朝関係がこじれているのか、その根源をたどっていくと、「そもそもなぜ朝鮮というもともと一つの国であったものが分断しているのか」という問いに行きついたからです。
メディアが伝えているのは、「今」のことだけであって、そこに至る過程までは報道していないけど、それは事実であっても真実じゃないんじゃないか?もっと歴史を踏まえて「今」を見るべきじゃないのか?
そんな観点から、今回分断史の学習会を企画してみました。
1.分断統治の始まり
1945年8月15日、日本が敗戦することによって朝鮮の人々は植民地支配から解放され、ソウルでは建国準備委員会が結成されるなど、朝鮮人自らの手で政府を樹立しようとする動きが活発化しました。しかし、そこにアメリカやソ連が戦後統治のために介入することとなり、北緯38度線を境に北はソ連が、南はアメリカが占領し、分断統治が始まります。
アメリカは一方的に北緯38度線を境界線とすることを主張し、ソ連がそれに同意することによって分断統治が始まったわけですが、この北緯38度線を境とした理由は、アメリカが戦後の朝鮮やアジアへのソ連の影響力を限定化するためであり、すでに解放直後から米ソ対立の兆しが朝鮮半島にあらわれていたと言えます。
米国軍は南朝鮮地域の治安・秩序を維持する目的で、日本による植民地支配期につくられた朝鮮総督府の機構や官吏をほぼそのまま利用して占領政策を行いました(解放後直ちに親日派の粛清が行われた北朝鮮地域都は非常に対照的です)。
その後、朝鮮人からの非難により、統治機構の現地化を行うのですが、採用された者の多くは日本の植民地支配に積極的に加担してきた親日派の朝鮮人や親米派の朝鮮人でした。李承晩もこの親日派採用方式を継承していきます。このように、北と南ではまったく質の異なる統治が進んで行きました。
2.信託統治問題と分断体制の形成
そこで、解放後の朝鮮をどのように統治するかという「信託統治問題」が浮上してきます。この信託統治に関しては1945年12月のモスクワ協定で話し合われるのですが、アメリカ側は朝鮮人の自治能力を否定し、信託統治の期間も長い期間を想定していました。他方、ソ連は朝鮮人の自治能力を積極的に評価し、信託統治の期間は短ければ短いほど良いと考えていましたが、最終的に米ソは信託統治を行っていく方向で合意します。
戦後の北東アジア地域の安全保障の確立や勢力圏の拡大など、両者様々な思惑を持ちながら朝鮮信託統治の実施を進めていきますが、1946年1月以降、米ソは信託統治の解釈をめぐって対立を深めていきます。この信託統治をめぐっては、国内でも最大の政治的争点となっており、信託統治支持派(信託派)と信託統治反対派(反託派)の分裂・対立が生じていました。
戦後の北東アジア地域の安全保障の確立や勢力圏の拡大など、両者様々な思惑を持ちながら朝鮮信託統治の実施を進めていきますが、1946年1月以降、米ソは信託統治の解釈をめぐって対立を深めていきます。この信託統治をめぐっては、国内でも最大の政治的争点となっており、信託統治支持派(信託派)と信託統治反対派(反託派)の分裂・対立が生じていました。
1946年の3月には第1次米ソ共同委員会が開催され、朝鮮の統一独立に向けて話し合いが進むことが期待されていたのですが、米ソ両陣営のイデオロギー対立という問題からなんの合意もなされないまま終結し、1947年5月に開催された第2次米ソ共同委員会も米ソの対立とソ連側への国内右派勢力の攻撃により決裂することとなりました。これを受けアメリカは米ソによる朝鮮独立問題の解決をあきらめ、一方的に国連に提訴する行動をとります。
2回にわたる米ソ共同委員会の決裂によって米ソの対立は深刻化し、国内の左右対立が重なり合って、最終的に分断政府の樹立へとつながっていきます。
3.南北政府の樹立
ソ連はアメリカは一方的に国連に提訴したことに対して、モスクワ協定に違反している等の理由で反対しますが、アメリカや国連は反対するソ連や北朝鮮の意向を無視し、南朝鮮だけの単独政府樹立に向けて強引に進んでいきます。そして1948年8月15日に大韓民国政府が、9月9日に朝鮮民主主義人民共和国政府が樹立します。
2回にわたる米ソ共同委員会の決裂によって米ソの対立は深刻化し、国内の左右対立が重なり合って、最終的に分断政府の樹立へとつながっていきます。
3.南北政府の樹立
ソ連はアメリカは一方的に国連に提訴したことに対して、モスクワ協定に違反している等の理由で反対しますが、アメリカや国連は反対するソ連や北朝鮮の意向を無視し、南朝鮮だけの単独政府樹立に向けて強引に進んでいきます。そして1948年8月15日に大韓民国政府が、9月9日に朝鮮民主主義人民共和国政府が樹立します。
学習会では、こうした大きな動きを踏まえながら、朝鮮国内で独立運動を展開していたそれぞれの団体や人物の主張や立場を整理しながら、解放から分断へと歴史がどういう風に動いていったのかについて見ていきました。
そのなかで、この分断に至るまでの過程が、現在の日朝関係や南北関係に非常に大きな影響を与えていると思いました。分断統治の始まりの時点で、北と南では全く異なる占領政策が実施され、そこから歴史が積み上げられて行っているからです。言うまでもなく、分断統治のそのさらに下地には日本による植民地支配の歴史があります。
議論の中で、「分断は米ソの責任じゃないの?」という意見も出ましたが、解放後においても親日派(地主や資本家)の影響力は無視できないものであり、植民地支配によって生じた国内政治勢力の歪みも、強く分断に作用していたといえるのではないでしょうか。
そして最後に、歴史をみる視点について議論が繰り広げられたりと、けっこう密な内容で学習会は終わりました。やっぱりいろんな人が参加するといろんな意見が出てきて勉強になりますね。
次は何をするか、いろいろ意見が出てきてまだ何も決まっていませんが、
今後もこういう学習会を続けていきたいと思います。
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